休日日記

foujita2003-12-28


めずらしく早起きの休日。日曜日の定番、NHKラジオ「音楽の泉」が始まった頃に外出、バッハの無伴奏チェロだったので後ろ髪をひかれる思いだったけれども、いったん外に出ると、朝の町並みが気持ちいい! と、わたしにしてはたいへん珍しい休日の早起き、ちょいとハイだった。まずは原宿へ、東郷神社の蚤の市をひさしぶりに練り歩いた。特に何も買わなかったけれどもたいへんたのしいひととき、さらに上機嫌。むかし学生の頃、試験前の日曜日は少し早めに外出して原宿の図書館に一日中こもるのが常だった。その図書館の前はいつも東郷神社の蚤の市をのぞいたものだった。原宿の図書館は、武田百合子さんの『日日雑記』にしばしば登場していたので、ここに来るといつもそのことを思い出して悦に入っていたりした。

原宿の次は恵比寿、待ち合わせて映画。『飛ぶ教室』を見た。原作ファンとしては、原作の追体験というだけでも楽しめる感じで、脚本や演出にはかなり不満が残るものの、視覚面に限ってはとてもよかった。最も心が躍ったのが、雪合戦のところで、指揮台のベク先生の映像になって、ティンパニの連打のあとでバッハのクリスマスオラトリオの冒頭が流れるところ。クリスマスから3日間、すなわち昨日までバッハのクリスマスオラトリオのディスク1枚目にひたりきっていたばかりだったから、あの瞬間の胸の高まりといったらなかった。と、音楽が出てくるだけで嬉しい。

恵比寿のあとは渋谷から歩いて青山。恵比寿ガーデンシネマに来るといつも一刻も早く恵比寿ガーデンプレイスから去りたいッと思ってしまうのだった。なんとかならないのだろうか。お昼御飯のあと各店鋪をめぐる。とあるお洋服屋で高い買い物をしてしまって、さらにハイ。昨日の古本市なんて小さい、小さいと昨日の散財が帳消しになった気分、大いなる考え違いではあるけれども。ヨックモックに長居した。早起きしたから一日が長い。

聴いている音楽

昨日までは《クリスマス・オラトリオ》一色だったけれども、今日から突如、ウラッハクラリネット気分になった。年末の日々、しみじみ胸にしみいる。モーツァルトの高みもよいし、ブラームスの深い自己内省もよい。音楽を聴きながら、一人で今年の反省会。来年からは了簡を入れ替えるのだ。