2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

青山光二の聞き書きを読み、徳田秋声と野口冨士男が届く。

朝の喫茶店で、読みさしの大川渉『文士風狂録 青山光二が語る昭和の作家たち』(筑摩書房、2005年)を繰る。「ちくま」連載中にほとんど読んでいたのだけど、『食べない人』のあとで読み直してみると、また新たな感慨があるのだった。青山光二自身の文章を読…

文化生活一週間 #30

今週のおぼえ帳 今週のお出かけメモは特になし。出無精だと部屋でよく音楽を聴く、というわけで、埋め草に最近、よく聴くディスクのことを。 ベルリン響楽団を指揮するザンデルリンク 手持ちの宝物ディスクを10枚選ぶとすると、ベルリン交響楽団を指揮するザ…

青山光二の『食べない人』で胸がいっぱいになる。

いつもよりさらに早起きをして、さらに早い時間に外出して、喫茶店で本を読む。青山光二『食べない人』(筑摩書房、2006年)を読み続ける。発売まなしのころ、東京堂の新刊台でこの本を初めてみたとき、「四季の味」の連載が1冊の本になったんだ! とタイト…

平井呈一訳のサッカレーを読み、青山光二『食べない人』を買う。

朝の喫茶店で、サッカレー、ではなく、サッカレ/平井呈一訳『床屋コックスの日記 馬丁粋語録』(岩波文庫)を読み始める。『虚栄の市』の中島賢二みたいに気鋭の新訳を次々と刊行している一方で、今回の平井呈一を典型とするような、往年の文人気質の高雅な…

サッカレー『虚栄の市』と『青年芸術派・新作短篇集1』を読了する。

朝、目が覚めると、ひさしぶりの青空。機嫌よく洗濯をして、イソイソと外出。喫茶店でサッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第4巻(岩波文庫)を繰る。ここ四週間読み続けていた、サッカレーの『虚栄の市』をとうとう読み終える。ラストが近づけば近づくほど…

『虚栄の市』がますます佳境に入り、夜、熟れた桃を食べる。

こうしてはいられないと張り切って早起き。イソイソと外出して喫茶店で、サッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第4巻をひたすら読み続ける。ちょうど明日の朝に読み終わるように配分できた。残り時間、図書館の返却期限が迫ってしまった、『青年芸術派・新作…

『虚栄の市』が佳境に入り、帰る頃には雨があがる。

朝から雨が降っていて、涼しい。喫茶店でコーヒーを飲む。読みさしの、サッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第3巻(岩波文庫)をひたすら読み続ける。昼、本屋へゆく。岩波文庫の『虚栄の市』最終巻、第4巻を抜く。このお店の岩波文庫のイギリス文学あたり…

文化生活一週間 #29

今週のお出かけメモ 浅草松屋の古本市のあと「めぐりん」に乗る 雨降りの連休最終日、浅草松屋の古本市へ出かける。混み具合(というか空き具合)がちょうどよくて、目に映る本もなかなかいい感じ。気持ちよく棚をめぐる。と、めぐっているときはそこそこた…

「海鳴り」を喫茶卓に置いて、『虚栄の市』第3巻を読み始める。

昨夜はたっぷりと眠って、実に爽快な寝覚めなり。早々に外出して喫茶店でコーヒーを飲む。水曜日の夜に入手したものの、うっかり昨日持参するのを忘れた、編集工房ノア「海鳴り」18号(2006年7月10月発行)を取り出して、うっとり。巻頭に掲載の、《この年…

小林信彦『〈超〉読書法』を繰り、『虚栄の市』第2巻を読み終える。

朝の喫茶店で、小林信彦『〈超〉読書法』(文春文庫)を繰る。昨夜文庫本棚を発掘していたら、あらかた古本屋に売ってしまったと思っていた小林信彦の文庫本がひょんと出て来た。ほんの気まぐれにひょいと繰ってみると、ちょうど開いたページで《秋声の長篇…

濱田研吾『三國一朗の放送室』を読了し、『同級生交歓』を買う。

今日も雨が降っていて涼しい。早々に外出して喫茶店でコーヒーを飲む。読みさしだった濱田研吾『三國一朗の放送室』(私家版、平成18年7月30日発行)を読み終える。 濱田研吾さんのミニコミは、夢声三十三回忌の2003年春に彗星のごとく登場した『職業“雑”の…

青年芸術派とサッカレーと濱田研吾と山下武を読む。

三連休が明けてみると、朝から雨降りで涼しい。起き抜け早々なにやら気がふさぐので、早々に外出して、せめてもの気晴らしに喫茶店で本を読む。大切にカヴァーに包んでご満悦の、借り出し中の『青年芸術派・新作短篇集1』(明石書房、昭和16年4月5日発行…

文化生活一週間 #28

今週のお出かけメモ 十返肇とオリンピック前の東京 鈴木英夫『やぶにらみニッポン』(昭和38年・東宝)/ ラピュタ阿佐ヶ谷《銀幕の東京》(http://www.laputa-jp.com/) ■監督:鈴木英夫/脚本:奥山長春/撮影:完倉泰一/美術:小川一男/音楽:山本直純 …

野口冨士男を読み返し、『虚栄の市』を読み進める。

朝の喫茶店で、野口冨士男『作家の椅子』(作品社、1981年)をあちらこちら読み返す。この本は野口冨士男に夢中になるきっかけになった、というか、まず「風景」に夢中になるきっかけになった本だった(3年前当時のまとめファイル:http://www.ne.jp/asahi/…

『青年芸術派・新作短篇集1』の野口冨士男と井上立士を読む。

朝の喫茶店でサッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第1巻(岩波文庫)を読了。まだ時間があったので、本全体にふんだんに掲載されていて目にたのしいサッカリー自身の挿絵を眺めながら、あちらこちらを読み返す。昼、本屋へ出かける。立ち読みにいそしんで時…

盛厚三さんの中戸川吉二解説を読み、あらためて EDI に心ときめく。

宵っ張りの早起きをして早々に外出。喫茶店でほっとひと息つく間もなく、塩山芳明/南陀楼綾繁編『出版業界最底辺日記』(ちくま文庫)の続き、1998年のページを開き、ズンズンとランランと読みふって、昨夜に引き続いてページを繰る指がとまらない。あっと…

銀幕の十返肇を見て、塩山芳明を読み、電車を一駅乗り過ごす。

今日は本を読まぬまま、夕刻となる。丸の内線に乗り込んで、のんびり読書。先週で読み終える予定でいた『虚栄の市』第1巻(岩波文庫)を読み続け、いよいよ佳境に入ったところでいつのまにか寝てしまい、ハッと目を覚ますと、電車は新高円寺駅を出発したと…

鈴木地蔵を読み返し、川崎長太郎を買い、山村修を読む。

朝の喫茶店で、鈴木地蔵著『市井作家列伝』(右文書院、2005年)を繰る。徳田秋声の項を読み返すべく持参していたのだったけど、目当てのところを読み返したあとも、ついあちらこちら読み返して、しみじみいい文章だなあとあらためてじんわりと感激する。こ…

文化生活一週間 #27

今週のおぼえ帳 キャンドルでオムライスを食べて昼下がりの宝塚見物へ 宝塚歌劇月組公演『暁のローマ』『レ・ビジュー・ブリアン』/ 東京宝塚劇場(7月8日午後3時30分開演) 島津保次郎の「満州」映画 島津保次郎『私の鶯』(昭和18年)/ 東京国立近代…

大村彦次郎を読み返し、山村修『〈狐〉が選んだ入門書』を買う。

朝の喫茶店にて読みさしの『虚栄の市』第1巻(岩波文庫)を読了するつもりでいたのだけど、ちょいと目当てのところを読み返すべく持参していた大村彦次郎『ある文藝編集者の一生』(筑摩書房、2002年)をあちこち繰って夢中になっているうちに、あっという…

徳田秋声『仮装人物』を読了し、さくらんぼを食べる。

なんやかやで出る時間が遅くなり、あわてて駅にたどりついてみると、こういう日に限っていつも乗る地下鉄道がとまっている。眉間に皺を寄せながらぶつくさと地上の電車に乗る。ひとたび乗ってみると、窓からの景色がたのしくて、いつのまにか上機嫌になって…

雨は一日中降り続き、越路吹雪のライヴ音源を聴く。

朝から雨がザアザア降っていて、ここまでザアザアだとかえって気持ちよいくらい。これで外出の必要がなかったら最高だった。えいっと家を出て喫茶店にたどりつき、しばしぼんやり。意気あがらぬまま、読みさしの『仮装人物』を読む。明日あたり読み終わりそ…

井上陽水のコンサートを聴きに東京国際フォーラムへゆく。

朝の喫茶店で『虚栄の市』を読み続け、日中の外出の折に『仮装人物』を少し読む。『仮装人物』は、『縮図』と違って一気に読めないところがある。夕刻、イソイソと外に出て、母と待ち合わせてコーヒーを飲む。通りがかりで入手したばかりだという「ちくま」…

朝は『仮装人物』を、夜は『虚栄の市』を読み始める。

朝の喫茶店で、週末に仕入れておいた、岩波文庫を2冊取り出す。徳田秋声『仮装人物』とサッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第1巻。秋声の『仮装人物』を読みはじめる。なんと印象的な、なんと見事な書き出しなのだろう。と、最初のページを5回くらい読み…

文化生活一週間 #26

今週のおぼえ帳 メルヴィル、ゴダール、シャブロル/ 東京国立近代美術館フィルムセンター《フランス古典映画への誘い》(http://www.momat.go.jp/FC/fc.html) ジャン=ピエール・メルヴィル『いぬ』LE DOULOS(1963年) フランスでも犯罪映画を得意とするメ…