朝は『仮装人物』を、夜は『虚栄の市』を読み始める。

朝の喫茶店で、週末に仕入れておいた、岩波文庫を2冊取り出す。徳田秋声『仮装人物』とサッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第1巻。秋声の『仮装人物』を読みはじめる。なんと印象的な、なんと見事な書き出しなのだろう。と、最初のページを5回くらい読み返してから、次のページ以降を読み進めてゆく。

疲れたので、寄り道せずにすみやかに帰宅。諸々の用事を早々に切り上げて、昨日荻窪で買った庄野潤三の本3冊にグラシン紙をかける。土曜日の古書会館で買っておいた小島信夫『私の作家評伝3』新潮選書にはもともとビニールカバーがかかっている。

ミルクティを飲んで虚空を見つめたあと、サッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第1巻(岩波文庫)を手にとる。早すぎずゆっくり過ぎずうまく配分して今月は『虚栄の市』を読んでいくのだと、全4冊なので一週間に1冊のペーストしようと心に決めたところで、最初のページをひらいてみたら、作中人物が登場したとたんさっそくとってもおもしろくて、うわー、こんなに面白いなんて! と初っぱなからウキウキ、というか、ウルウル。こういう小説が大好きなのだとジーンと感激する。しかし、はしゃぐあまりに一気にたくさん読んではいけない、『虚栄の市』を読むそのときどきを大切にようとと冷めたミルクティを飲み干して、今日のところは早々に寝る。