2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

濱田研吾さんの『脇役本』

濱田研吾『脇役本』(私家版、2005年) 晶文社刊『徳川夢声と出会った』(ISBN:4794966008)でおなじみの濱田研吾さんによるミニコミが出たことを知った。その名も『脇役本』! こうしてはいられない、書肆アクセスへ買いに行かねばッ、と思ったのだったが、…

猫と庄造と二人のおんな

映画メモ 豊田四郎『猫と庄造と二人のをんな』(昭和31年・東宝)*1 / ラピュタ阿佐ヶ谷《昭和の銀幕に輝くヒロイン 香川京子》 *2 谷崎の原作が大好きでその映画化だという、ただそれだけの理由で長年見たいと思っていた映画。今まで何度も機会があったの…

週末古本日記

竹橋の近代美術館をゆっくりとめぐったあと、趣味展開催中の古書会館へ出かけて神保町でのんびりという予定だったのが、宵っ張りで寝坊してしまったのでどちらか一方を断念せねばならぬのだった。ありがたいことに雨が降っていないことだしと、美術館を後日…

丸善ショッピング

神保町へ寄り道しようと思っていたけれども出るのがすっかり遅くなってしまった。せめて丸善へ出ててみんと東京駅の真ん前を歩いた。洋書売場、絵本の階からめぐって、ひとつ下の文庫コーナーで本日のお目当てを手にとったあと、ここ一週間というものまだか…

マロニエ通り日記

マロニエ通りをテクテク歩いてゆく途上、まずは紙百科ギャラリーで《臼田捷治の魅せられたブックデザイン》展をふらっと見物。思っていた以上にたいへん満喫だった。いい気分で外に出て、山野楽器で「東京かわら版」を買って、「銀座百点」の新しい号をもら…

鈴木英夫の『非情都市』

雨でぬれた石畳の道をテクテク歩いて鍛冶橋通りへ。明治屋に寄り道したものの、目当てのとある調味料が売ってなくてがっかり。「嗜好」を1冊ちょうだいして待ち時間に繰っているうちに、映画の時間になった。 映画メモ 鈴木英夫『非情都市』(昭和35年・東…

初ささま

日没後、丸の内線にのって、のんびり荻窪へ。本日の車中の読書は尾崎紅葉の『二人女房』。終点に到着するとイソイソと地上に出て、ささま書店までつい小走り。念願の「初ささま」がやっと実現してフツフツと嬉しい。まずはいつものように店頭の100円コーナー…

御ひいき勧進帳

えいっと早起きして、ラジオのスイッチをつけて「音楽の泉」を流した。今日はショパンの《前奏曲集》。どんよりと曇ってひんやりと寒い朝、台所で作業しながら聴いて、気分上々。今日こんなときにまさにぴったりな音楽だった。去年の秋以来、自転車乗りの国…

弥生美術館と鴎外図書館

レストランでゆっくりとお昼ごはんを食べたあと地下鉄に乗って、本郷界隈へ。弥生美術館を見物したあと根津でコーヒーを飲んでのんびり。のんびりするあまりに時間が迫ってしまったので、あわてて千駄木の鴎外図書館へ。三木竹二の小展示を見物。冷たい空気…

今週の寄り道:歌舞伎座一幕見と寄席

寿初春大歌舞伎『土蜘』/ 歌舞伎座一幕見(1月11日・18日) 先週うっかり書き損ねてしまったのだけれども、連休明けの火曜日、急に気が向いて、歌舞伎座の幕見席へ出かけて『土蜘』を再見した。特に深い考えもなく、『土蜘』をぼんやりと眺めたあとで京橋図…

地下室の古書展ノート

夕刻、イソイソと神保町へ。地下室の古書展(http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/)開催中の古書会館仁閉場30分前くらいに到着。イソイソと書棚をぐるっと練り歩いて、あんまり時間はなかったけれども、ずいぶん満喫。昨日行き損ねたのはかえすがえす…

購入本

田中優子『樋口一葉「いやだ!」と云ふ』集英社新書(ISBN:4087202496) 服部幸雄『さかさまの幽霊』ちくま学芸文庫(ISBN:4480088954) 田中優子さんの一葉本は昼休みの本屋さん用にとっておこうと思いつつ、ずっと買い損ねていた。広重の「名所江戸百景」…

日曜日の午後

「音楽の泉」が始まるころに目が覚めた。今日はシベリウスの交響曲第4番。大好きな曲なので大喜び、寝床でヌクヌクとラジオに耳をすませた。そんなこんなしているうちにいつのまにか寝てしまい、次に目が覚めたのは昼下がり。嗚呼、雨にも負けずに竹橋の近…

鎌倉の休日:コーヒーと清方と円朝

お昼過ぎに外出、横須賀線に揺られて、鎌倉へ。本日の車内の読書は千谷道雄著『秀十郎夜話』(冨山房百科文庫)。先日買ったばかりの中島健蔵著『回想の文学』と同じく、雑誌「心」での連載がもとになっている。初出誌が「心」の著者・著書の系譜、というの…

資生堂で香水壜を買う

夕刻、銀座での時間がちょっと空いたので、ふらっと HOUSE OF SHISEIDO へ行った。ジャック・アンリ・ラルティーグの写真展を見物。ほんの気まぐれに見たのだけれど、思いのほか満喫。当時のビーズバッグと合わせての展示で、そんな持ち物と合わさることで、…

地下室で紅葉全集を繰る

尾崎紅葉『伽羅枕』岩波文庫(ISBN:4003101464) 巌谷大四『東京文壇事始』講談社学術文庫(ISBN:4061596349) 『多情多恨』でも『三人妻』でも紅葉の「大人」ぶりに惚れ惚れ、そしていかにも東京ッ子という感じで、サラッとしているのがよい。軽やかで洒落…

浅草松屋の古本市

開催のたびに目録を取り寄せて、ぜひとも行きたいものだなあと思いつつも毎回行き損ねていた、浅草の松屋の古本市。今回はうっかり目録で注文をしてしまったので、めでたく行くことができた。初日だけど閉店近かったのでわりとすいていて、ゆったりと見るこ…

歌舞伎座夜の部日記

寿初春大歌舞伎『鳴神』『土蜘』『魚屋宗五郎』/ 歌舞伎座・夜の部 歌舞伎会の会報「ほうおう」の1月号と2月号を母から受け取った。内心は「べつにいらないんだけど…」と思ったのだったが、せっかくの親切を無下にするのも悪いのでつつしんでちょうだいす…

神保町日記

明日からお休みなので機嫌よく早起き。身仕度の時間はポゴレリチのハイドン。もうちょっと聴いていたかったけれども早々に外出して、喫茶店でコーヒーを飲んでのんびり。金曜日の朝は岩波の日本古典文学大系、ということで、「この鉢巻の御不審か」と『歌舞…

岩波文庫の尾崎紅葉、松屋の古本市を再訪

尾崎紅葉『三人妻』岩波文庫(ISBN:400310143X) 年末に入手した『多情多恨』(ISBN:4003101472)をひとたび読み始めてみたら、面白くて面白くて、もうたまらないくらいにおもしろい。あんまり面白いので一気に読了、名残惜しいあまりに今日は早起きをして、…

松屋の古本市と山野楽器

ちょうどの時間にぱちっと目が覚めて、身仕度の時間はアファナシエフのディスクでシューマンの《森の情景》を聴いた。昼休みの本屋はいつもと比べるとだいぶ閑散としていた。『吉田秀和全集』の内容見本を持ち帰り、コーヒーショップでぼんやりと眺めた。日…

浅草歌舞伎

朝はしばし寝床でヌクヌク。イヤホンでモーツァルトの《エクスルターテ・ユビラーテ》を聴いた。フリッチャイの《後宮からの誘拐》全曲盤の余白に収録のシュターダーのソプラノによるもの。十代のモーツァルトのイタリア土産ともいうべきアリア、たまにむし…

初芝居

早くに目が覚めてしまったのでしばし寝床のなかでヌクヌク。中公文庫の『折口信夫全集』をめくって、俄狂言「平気平三困切石」を読んだ。昭和24年に戸板康二の『丸本歌舞伎』出版記念会の際につくられたごく短い脚本で、なんだかよくわからないながらもここ…

御慶

先日眺めていた古書目録に載っていた正岡容の年賀状に「御慶」という文字があった。落語の人はすぐに「御慶」と言いたがるなあとおかしかった。出先からの帰りの車中の読書はスティヴンスン/小沼丹訳『旅は驢馬をつれて』。駅についてふと思い立って、日が…