2008-01-01から1年間の記事一覧

阿佐ヶ谷で『縮図』。東武野田線で遊覧。醤油の広告。年の瀬の浅草。

冬休み3日目。 順調に早起きをして、まずは阿佐ヶ谷へ。行きしな通りがかりの郵便局で今年最後の古本代(昭和8年の「アサヒカメラ」等)の支払いを無事終えて、すっきりしたあとで、ラピュタ阿佐ヶ谷のモーニングショー《昭和の銀幕に輝くヒロイン乙羽信子…

徳田秋声の『心の勝利』を読んで、「1930年代東京」をおもう。

先月初め、昭和十年代の徳田秋声の著書が2冊、浅見淵『現代作家卅人論』(竹村書房、昭和15年10月20日)と一緒に届いて、なんて見事な並び! と悦に入ることしばしだった(浅見淵の秋声論がまた嬉しくなってしまう文章だった)。届いた秋声本は、以前からの…

「日本古書通信」の徳田一穂を読んで、秋声の『勲章』を繰る一週間。

先月中旬のとある夜、届いたばかりの「日本古書通信」をホクホクと繰っていたら(このひとときが毎月一番のおたのしみ)、日本古書通信社の新刊として徳田一穂著『秋聲と東京回顧』なる本が「11月中旬」に出ると知り、「えー!」といきなり大興奮だった。驚…

多摩図書館のあと、国立でひと休み。関西のグラフィックデザイン展。

昨日は頭痛で一日を棒に振ってしまい、無念であった。三連休なので休日がいつもより1日多いのがこんなにありがたいと思ったことはない。今日こそはとガバッと起きて、イソイソと外出。頭痛はかすかに残っているけれども、歩いているうちになんとかなりそう…

五反田で、戦前東宝映画『街』をおもう。大辻司郎の「漫談や」。

正午過ぎ。晴れていたら古書展のあとは池上線にのって遊覧に出かけたかったけれども、あいにくの曇天で、遊覧気分はとんと盛り上がらぬ、古書展のあとは大学図書館に寄るとするかな……などと思いながら五反田駅前に降り立ち、イソイソと古書展会場へゆく。 山…

一口坂をのぼり九段坂をくだって、神保町へ。「スヰート」の池部鈞。

今日も朝からどんより曇っていて、モームの『人間の絆』におけるロンドンの空のよう。正午過ぎ、ふと神保町に行きたくなって散歩に繰り出したとたんに、雨がポツポツ降ってきた。用心のためにとかばんに入れてあった傘をさっそく取り出す。 新見附橋を渡り、…

砧町までバスにのって山口薫展。向井潤吉のアトリエに向かって歩く。

正午前。渋谷から成城学園行きのバスにのりこむ。このバスに乗るのは、晩春の日曜日の午後、清川泰次記念ギャラリーに出かけて以来(id:foujita:20080416)。砧撮影所の東宝プロデューサー会議に出席のため、昭和31年から砧に通うようになった戸板康二が乗っ…

おすそわけの花梨。中央線古本めぐり。浅見淵と秋声が届く。

今日も無駄に早起きをしてしまう。せっかくの休日、もっと朝寝がしたいのにどうしても早くに目が覚めてしまう(老化現象)。つまらないことである。家事諸々が一段落ついたところでラジオのスイッチを入れると、ちょうど「音楽の泉」がはじまるところ。本日…

演劇博物館80周年。早稲田からバスで上野へ。松坂屋の「銀サロン」。

正午過ぎ。本日が初日の《三好十郎展》とあと3日間でおしまいの《演劇博物館80周年名品展》の見物のため、演劇博物館(http://www.waseda.jp/enpaku/)へ出かける。早稲田大学の構内は、銀杏の臭気ただようなか、文化祭の準備(たぶん)で活気づいていて、…

昼下がり、五反田から歩いて、庭園美術館で「1930年代東京」展。

6時ちょうどに目が覚めてみると、昨夜はあんなにワインをガブガブ飲んだにもかかわらず、二日酔いの諸症状をほとんど感知することなく、体調はふだんとほとんど変わらないようであった。あとさき考えずにいつものとおりに好き放題飲んだ上に翌朝はいつもの…

昼下がり、小田急線にのって町田へ。八木義徳展を見物する。

先週半ばの夜。届いたばかりの「日本古書通信」を心穏やかに繰っていたら(このひとときが毎月一番のおたのしみ)、町田で八木義徳展が開催されることを知り、いきなり大興奮だった。驚きと歓喜、まさに驚喜の一語に尽きる。今週末より開催という。こ、こう…

国会図書館で手にした、沼波万里子の『五十銭銀貨』のこと。

先月末、山口昌男著『本の狩人 読書年代記』右文書院(asin:4842107189)を読んで初めて、沼波万里子著『五十銭銀貨』という本のことを知った。沼波瓊音の娘である筆者が少女時代の折の北一輝とのつかのまの交流を「瑞々しい筆致」で綴っているという。と、…

昼下がり、荻窪からバスにのって、茂田井武展へゆく。

昨日飲んだワインはたいそうおいしかった。と、連休最終日は予想通りずいぶん朝寝をしてしまい、正午前にモソモソと外出。中央線に乗り換えて、荻窪で下車し、まずは、ささま書店へゆく。店頭の105円棚をザザザッと見通し、とりあえず文庫本を2冊手に取った…

行方昭夫編訳『モーム短篇選』。窓の外は東京駅。南千住の沼波瓊音。

今週もなんとか無事に終わったのは何よりであるが、今日も神保町へ歩く力が出ず、フィルムセンターへ映画を見に行く意欲もわかない。ままならぬことである。とりあえずは、雨が降らないうちにと日没時イソイソと外に出て、鍛冶橋通りには曲がらずに丸の内仲…

大正7年、青木堂でチョコレートを飲む沼波瓊音。帝国図書館の瓊音。

夏の大学図書館は休館中だったり開館時間が短かったりで不便だし、駅からの灼熱の道のりを思うと近代文学館へゆくのも億劫だ、この季節は他に行き先が思いつかぬ、というわけで、ここ2か月はかつてない頻度で国会図書館へ出かけていた。閲覧机で調べもの合…

観劇と建築写真。神奈川近代文学館へ行き、満月の夜、洗足でワイン。

三連休はいつもより休日が一日多いのが、毎回しょうこりもなく嬉しい。土曜日は東京宝塚劇場(苦労して入手した甲斐あった!)、日曜日は新橋演舞場(奮発した一階席を心ゆくまで満喫の実盛!)と、観劇続きで座りっぱなしだったので、連休最終日はちょいと…

府立一中の坂をくだって赤坂界隈へ。赤坂離宮の国会図書館。

朝。涼しくて曇っているのでこれ幸い、小さな風呂敷包みの弁当箱と番茶入れし水筒を携えて、テクテクと国会図書館に向かって歩く。途中、通りがかりのコーヒーショップでひと休み、とある古書店あてに注文のハガキをサラっと書きあげたところで、スクッと立…

「戸板康二ダイジェスト」更新メモ(#054)、明治製菓三田売店メモ。

「戸板康二ダイジェスト(http://www.ne.jp/asahi/toita/yasuji/)」を三か月ぶりに更新。 三か月ぶりに更新を再開してみると、今月はちょうど「戸板康二ダイジェスト」がはじまって満6年、7年目からはもうちょっとちゃんとしたい。 5月の講談社文芸文庫…

紀尾井町で岸田劉生展を見る。虎屋から野口冨士男の歩いた道を歩く。

いくぶん曇っていて、今日はやや涼しくて、ありがたい。意気揚々と外出、テクテクと四谷界隈に出て、通りがかりのコーヒーショップでひと休み。読みさしのままかばんに入れっぱなしだった、イプセン/原千代海訳『幽霊』(岩波文庫)を読み終えたところで、…

和田博文編『紀伊國屋書店と新宿』の刊行が嬉しくてたまらない。

月曜日、今週も週明け早々力が出ないなアと、へなへなと帰宅したら、刊行がたいへん待ち遠しかった、ゆまに書房の「コレクション・モダン都市文化」第37巻、『紀伊國屋書店と新宿』(asin:4843321370)が届いていたものだから、帰宅したとたん、わーいわーい…

「ホーム・ライフ」と北尾鐐之助と1930年代モダン都市。

土曜日は早起きして、「今日も暑うなるぞ」とソワソワと外出し、シンと静まりかえる閲覧室で、「ホーム・ライフ」の復刻版を何度も何度も眺めていた。昭和10年8月創刊、昭和15年12月終刊のグラフ誌。大阪毎日新聞社の写真部長、北尾鐐之助が一貫して編集に…

フィルムセンター。資生堂ギャラリー。とらやの御菓子十二か月。

今週の寄り道メモ。 日頃の無理な早起きがたたっているのか、このところ、日没が近づくにつれて疲労と眠気でへなへなと早々に帰宅する、ということが多く、見たい映画も行きたい展覧会も諦めてばかりで、日々が過ぎている。しかーし、今日ばかりはそんなこと…

東京昭和八年。丸の内の海上ビルの明治製菓売店と東和商事。

戦前の明治製菓宣伝部とその周辺を追う身にとっては、フィルムは残っていないと勝手に思いこんでいた、昭和8年11月23日封切の『純情の都』を見たということは、すなわち、P.C.L.第1回作品の大日本麦酒タイアップの『ほろよひ人生』(昭和8年8月17日封切…

京阪神遊覧日記・その2 すばらしき関西私鉄

以下、二週間遅れの遊覧日記。その1(id:foujita:20080622)の続き。 土曜日の夕刻、堂島アバンザのジュンク堂に長居し、堂島界隈の定宿(といっても泊まるのは今回で二度目)に手荷物を置いたところで、おっとこうしてはいられないと、ソワソワと「阪急古…

里見とんと戦前グラフ誌「ホーム・ライフ」に心躍らす、雨の日曜日。

朝。窓の外は雨がザアザア降っている。ラジオのスイッチを入れると、今週の「音楽の泉」はピリスのモーツァルト。日頃からの愛聴ディスクをひょんとラジオで耳にするのもなかなかよいのだった。先週に引き続き、今週も雨降りの日曜日。出かけたい展覧会がい…

『写真心斎橋』に見とれる。感想小品叢書の宇野浩二。高祖保書簡集。

曇り空の下、小さな風呂敷包みの弁当箱と番茶入れし水筒を携えて、外出。国会図書館に向かって、テクテク歩いて、開館時間の9時半きっかしに到着。予定どおりに、ここにしかない本を2冊閲覧し終えたあとは、とある古雑誌のマイクロフィルムをガラガラと一…

鈴木信太郎表紙の「三田文学」で、三宅由岐子の戯曲を初めて読んだ。

今週も週明けにあたって、張り切って早起きして朝の静かな喫茶店でゆるりと、本棚に放置されたままの本を読んでゆくとしようと、先週の中戸川吉二読みの余韻を胸に、里見とん『おせっかい』(新潮社、大正12年7月)を持って外出……したものの、突発的に一緒…

京阪神遊覧日記・その1 モダン心斎橋の明治製菓売店

先週一週間は毎日、朝の喫茶店でコーヒー片手に本を繰りながらも、つい何度も「でっか字まっぶ 大阪24区 昭文社」というのを眺めてしまってソワソワ、肝心の本読みがあまり進まなかった。と、そんなこんなで、先週末はふらふらっと新幹線にのって、関西へ遊…

京阪神遊覧日記・その1 モダン心斎橋の明治製菓売店

先週一週間は毎日、朝の喫茶店でコーヒー片手に本を繰りながらも、つい何度も「でっか字まっぶ 大阪24区 昭文社」というのを眺めてしまってソワソワ、肝心の本読みがあまり進まなかった。と、そんなこんなで、先週末はふらふらっと新幹線にのって、関西へ遊…

丸ビルのコーヒーショップで中戸川吉二を読み終える、金曜日の夜。

今週は毎日、朝の喫茶店でコーヒー片手に、ひさびさに中戸川吉二に耽溺して、あっという間に一週間が終わった。 月曜日は、週明けにあたって気分一新、数か月前に買ったきり本棚に放置されている本を読んでゆくことにしようと、今にも壊れそうなひどい状態の…