2004-01-01から1年間の記事一覧

中央線年末日記

正月休み2日目は張り切って早起き。部屋の掃除を済ませたあとイソイソと阿佐ヶ谷へ向かった。本日の車中の読書は黙阿弥『加賀鳶』(岩波文庫)。駅から映画館へ歩く途中の狭い路地は食材を買い求める人々でひしめきあっていて、屋根から解けた雪がポタポタ…

雪の日

朝目が覚めてからしばし寝床でうつらうつらバッハを聴いた。このところとりつかれたように無伴奏ヴァイオリンばかりを聴いている。今聴いているのは手持ちのクレーメル。近いうちにシゲティかエネスコのディスクを入手したいなあ、というようなことを思った…

年の瀬日記

明日からお休みなのでわーいわーいと早起きしてイソイソと外出。いつも朝のコーヒーは岩波の日本古典文学大系、ということで、今日は旧大系の『浄瑠璃集』を持参。昨日から読んでいる『ひらかな盛衰記』の今朝は三段目を読んだ。先日、戸板康二の本を読み返…

上野の休日

東京国立博物館・平常陳列 *1 リニューアル後は初めての東京国立博物館。いつもの通り、本館の1階と2階の常設展示をのんびりとめぐってたいへん満喫。まずはたのしいのが陶器と漆器といった工芸品。このところ元禄歌舞伎に胸躍らせていたところだったので…

ギンザ・グラフィック・ギャラリーの山名文夫

毎年12月になると必ずバッハを聴くようになる。ということに、今月に入ってから毎日のようにバッハのロ短調ミサ(ヘレヴェッヘ盤)を聴いているなあと気づいたときに思い出した。イヤホンで今日はクレド、明日はグロリアというふうに聴きながら掃除と片づけ…

休日日記

朝起きると、どんよりと曇天でだいぶ寒い。ラジオのスイッチを入れると「音楽の泉」はスメタナの弦楽四重奏だった。出かける頃にはかなり激しく雨が降っていた。まずは映画を見るべく阿佐ヶ谷へ向かった。本日の車中の読書は「近松浄瑠璃集」の『嫗山姥』の…

散歩日記:目白と早稲田

青い青い空の下、正午過ぎに目白へ。絵本の古本屋さんで本を見て、並びの古道具坂田のたたずまいにうっとりし、エーグルドゥースでケーク・オ・フィグという焼き菓子(好物)を買ったあと、mon Sakata と並びの雑貨やをみて、道路を渡ってルート・ドゥ・ショ…

金曜日の朝、今週のお買いものメモ

金曜日の朝は岩波の日本古典文学大系、ということで、だいぶ早くに外出して、朝は喫茶店でコーヒー。先週末に行き損ねたので、せめて本文を読むとするかなとほんの軽い気持ちで旧大系の『近松浄瑠璃集』の下巻を持参し、『嫗山姥』を読み始めることに。と、…

『歌舞伎の話』文庫化、「銀座百点」展

日没後の銀座で ggg の山名文夫展と松坂屋(松屋ではありません)で開催の「銀座百点」展をめぐる予定でいたのだけど、結局出るのが遅くなってしまって、今日のところは閉店間際のデパートで「銀座百点」展だけ見物することとなった。山名文夫展もたのしみた…

コーヒーと本

いつもよりだいぶ早くに外出して喫茶店でコーヒーを飲みながらじっくり読書、というのをしたくなるのは金曜日の朝が多い。今日は岩波の新大系の『江戸歌舞伎集』を持って外出。何を思ったのか、このところ急に元禄歌舞伎に夢中で(こういうのを「マイブーム…

ジュンク堂で「演芸画報」人物誌

昼休みの本屋さんで、なんとはなしに「暮しの手帖」を手にとって、思わず欲しくなって買ってしまった。お掃除がたのしそうだし、大根料理がおいしそう。実家の母が買っているのをチラリと見る程度で、「暮しの手帖」最新号を自分で買ったのは初めて。なんだ…

休日日記

正午に吉祥寺で待ち合わせ。本日の車中の読書は「BOOKISH」第8号《画家のポルトレ》。せっかくのよいお天気なのでお昼ご飯を買って井の頭公園へ。ひさびさに来てみると、池にはたくさんの鴨がスイスイ移動している。枯れ葉を踏みながら木々の下を歩くのがと…

趣味展

2カ月前にとてもよい買い物ができた思い出の趣味展であったので(id:foujita:20040925)、味をしめて、次回開催はいつかしらと前々から手帳に大きく「趣味展」とメモしていた。というわけで、予定通り早起きに成功、天気も快晴で万事快調、意気揚々と自転車…

小石川の酒席にて

小石川にて、西秋書店若主人氏と新・読前読後(id:kanetaku)氏と飲み会。焼酎片手にワアワア言いながら、藤沢清造のこととか保昌正夫さんのこととかいろいろ話しているうちにあっという間に時間が過ぎた。次回の地下室の古書展(http://underg.cocolog-nift…

昼休みと日没後の購入本

昼休みの本屋さんにて。 三木のり平/小田豊二・聞き書き『のり平のパーッといきましょう』小学館文庫(ISBN:4094028560) 昨日の映画以来、三木のり平のことが忘れられないなかで、ふとこの本の存在を思い出して、昼休みイソイソと本屋さんへ物色に出かけて…

休日日記:文学館と映画館

午後、新宿から京王線に揺られて仙川へ。前々から気になっていた武者小路実篤記念館へ出かけた。仙川は初めて降りる駅。展覧会見物は初めての町を歩くのがいつもそこはかとなくたのしい。いかにも私鉄沿線というふうな商店街を歩いてゆくと桐朋学園が見えて…

桂雀々・落語のひろば

日没後、有楽町まで歩いて、線路沿いをさらに歩いて帝国ホテルの手前で左折、泰明小学校の脇を通って右折、新橋方面へとさらにテクテク歩いた。新橋に来るのはずいぶんひさしぶり。あ、新橋ステンション、と小林清親の絵を思い出した。それから急に、去年、…

国立劇場の『柳澤騒動』

先月に引き続いて今月も国立劇場で芝居見物、今月もよいお天気で嬉しかった。意気揚々と自転車に乗って早めに外出、先月と同じスターバックスで、読みさしの出口裕弘著『辰野隆 日仏の円形広場』を読んだ。まだまだ時間があったので、ちょっと早めに劇場に行…

山名文夫展と京橋図書館

日没後、銀座7丁目までテクテク歩いて、HOUSE OF SHISEIDO で山名文夫展を見物。大正11年山名はプラトン社に図案家として採用されたのを皮切りに、1931年には資生堂入社、以後、日本工房などを渡り歩き華々しく活躍、というくだりを見て、以前とても面白く…

神保町日記

日没後、ひさしぶりに神保町に突進。古本まつりに行き損ねてからというものすっかり足が遠のいていた。岩波ブックセンター、書肆アクセス、東京堂、とある喫茶店と、平日の寄り道コースをひさびさにたどって、乾いた喉がうるおった心持ち、すさんだ心が洗わ…

七代目三津五郎、歌舞伎座夜の部日記

目を覚まして寝床から手を伸ばしてラジオのスイッチを入れてみると、「音楽の泉」ではモーツァルトのヴァイオリンソナタ、K379 の第一楽章の長い序奏のところがきこえてきて、胸がいっぱい。この曲、大好き。序奏が終わって短調に入るところもよいし、第2楽…

演劇博物館と早稲田の古本屋

午後は目白。先日、東京の坂道の話をしていたところだったこともあって、ぜひ見てもらいたい坂道があると聞き、テクテクと散歩した。たしかに一見の価値あるスゴい坂道だった。末永く心に刻んでおくとしよう。前々から、東京の坂道で思い入れの深い、好きな…

音曲芝居噺研究会

音曲・芝居噺研究会 二十回記念 / 鈴本演芸場 林家彦丸『どどいつ親子』 林家正雀『質屋芝居』 対談「わたしと寄席」小沢昭一+林家正雀 (仲入り) 扇よし和(小唄) 林家正雀『藁人形』 年に2回開催されている正雀さんの「音曲・芝居噺研究会」は今回で2…

折口信夫、山田稔、仲田兄弟

中公文庫で『かぶき讃』が刊行予定と知ってからというもの、頭のなかは折口信夫のことでいっぱい。 明日から天気が悪くなるそうなので、このおだやかであたたかな気候を今のうちに満喫しておこうと、日没後、京橋図書館までいい気分ででテクテク歩いた。『折…

鎌倉日記

12月の中公文庫の新刊で、折口信夫の『かぶき讃』が発売になると知って狂喜。しかーし、これだけでは片手落ち、戸板康二の『折口信夫坐談』の復刊も希望! 2004年という年は、戸板康二の『歌舞伎への招待』で始まって折口信夫の『かぶき讃』で終わるというこ…

歌舞伎座昼の部日記

たのしいたのしい歌舞伎座の昼の部なので張り切って早起きしてイソイソと外出。開館間際の京橋図書館へ行き、各紙書評をざっとチェックしたあと、予約していた本を引き取ってタリーズへ移動。観劇前のゆったりした喫茶はいつも満ち足りた時間で、こうすると…

岡鬼太郎花柳文芸名作選

一晩考えた結果、やっぱり酔狂な本を買うことに決めた。決めてしまったからにはもういてもたってもいられない。さっそく今日、出先からはるばる荻窪へ足を伸ばした。1日置いただけでまたもやささま書店へ来ることになるとはと競歩して、今日もまずは軒先の1…

山口瞳を読んでささま書店へ

いつのまにか「一の酉」が過ぎてしまっている。金曜日の朝、明日が休みだと思うと、毎週しょうこりもなく嬉しい。機嫌よくいつもより早くに外出して、コーヒーを飲みながら、武田麟太郎の『一の酉』を読んだ。堀切直人さんの『浅草』をあらためてじっくりと…

宮本三郎美術館と古本屋

岩波書店のサイトに、担当編集者さんによる杉山其日庵『浄瑠璃素人講釈』に関する文章が載っているのを発見(→ http://www.iwanami.co.jp/hensyu/bun/another.html)。最後の方の、《素人は腹を抱えて笑い、学者は(研究対象として難解で)頭を抱える、とい…

関の扉

顔見世大歌舞伎『関の扉』/歌舞伎座・昼の部一幕見 歌舞伎を続けて見るようになって初めて迎えたお正月が1999年、その初芝居で『関の扉』を見た。演目そのものが一気に大好きになり、忘れられない記憶となった。忘れられないあまりにその数カ月後、常磐津の…