2004-01-01から1年間の記事一覧

落語ことば辞典

このところ気が滅入るニュースばかりでクサクサ。こんなときは戸板康二の本を読んで気を紛らわせるほか方法がないと先週はいろいろめくって、何度も読み返してもホクホクの戸板本、まさしく絶好の気分転換となった。そんななか、今回「おっ」と目にとまった…

週末日記

土曜日は早起きして上野へ出かけた。午前中は国立西洋美術館でのんびり絵を見たり、椅子に座ったりした。お昼は池之端の薮蕎麦。お座敷の雪見窓から雨がシトシト地面につたっているのが見えて、なんともいえない風情。ひさびさに、蕎麦屋で憩う、だった。午…

教文館にて、今週のいろいろ

歌舞伎座の千秋楽、幕見席で『実盛物語』を見に行けたら行きたいなと思っていたけれども、結局出るのが遅くなってしまって無念。せめて教文館へ出でてみんと雨降りしきるなか、トボトボと銀座方面へ。と、力なくここまでやってきたのだったが、山野楽器で「…

池袋モンパルナス

洲之内徹を読むようになって、絵を見るのがますます楽しくなり、美術館に出かけるのもますます楽しくなった。洲之内を知る前からずっと展覧会に出かけるのは好きだったけれど、洲之内本を機に、それまで何気なくいいなと思っていた画家の名前を今度ははっき…

三越歌舞伎

三越歌舞伎『双蝶々曲輪日記』「角力場」、『白浪五人男』/三越劇場 一度は行ってみたいと思っていた三越歌舞伎! 歌舞伎座や国立劇場と違うところで観劇するのはいつも思いのほかとてもたのしくて、絶好の気分転換になっている。と言いつつ、歌舞伎座以外…

今週の古本

野口冨士男『暗い夜の私』(講談社、昭和44年) 水曜日に台風のなか、京橋図書館へ行く途上の奥村書店にて購入。半年に一度ぐらいの頻度で奥村書店では未読の野口冨士男の本に遭遇していて、そのたびに嬉々と買っている。この日はすでに持っている『感触的昭…

三十石をさがせ、月曜日の夜の丸善

先日、近松半二の『伊賀越道中双六』を読んでいたら、「伏見の場」で三十石舟が登場していた。この夏に落語の『三十石』の風景になんとはなしに心惹かれてから、なにがしかに三十石が登場するとそのたびにほんわかと嬉しい。江戸から明治初期(?)にかけて…

伊賀越道中双六、地下室の古書展

まさに秋日和のいいお天気で自転車乗りにぴったりの気候。正午から国立劇場で芝居見物、のその前に、少し早目に家を出て図書館で予約していた本をひきとって、通りがかりのスターバックスでひとやすみした。借りたばかりの、福原麟太郎著『夏目漱石』(荒竹…

木村伊兵衛展

退屈男と本と街(http://taikutujin.exblog.jp/)に、戸板康二の『見た芝居・読んだ本』のことが書いてあった。ただでさえ嬉しいうえに、戸板ファンうなずくことしきりの素敵な文章なのでさらに大感激。http://taikutujin.exblog.jp/1180202/嬉しいあまりに…

東京落語会

お誘いいただいて初めてあこがれの「東京落語会」へ出かけた。イイノホールはひさしぶり。ロビーでコーヒーを飲みながら、入口でいただいたパンフレットをめくると、矢野誠一さんの「落語家の袴」という文章が載っていた。コーヒー片手に矢野誠一さんの文章…

神保町日記

朝の天気予報では夕方から雨だと言っていたけれど、いざ日が暮れてみると雨が降る気配は全然ない。意気揚々と神保町に寄り道。東京堂でぜひとも買おうと思っていた本があったのだった。閉店まで東京堂に長居してそのあと喫茶店で本をめくった。帰り道、空気…

風船乗り、桂吉朝独演会

国立演芸場はどうも寄席に向うような胸躍るような道筋ではないのだけど、今日は開演までちょっと時間があったので、演芸場1階の資料展示室の「新収蔵資料展」を見ることができてよかった。ここの展示室はこれ目当てにわざわざ出かけるというほどではないに…

教文館のカフェ、歌舞伎座夜の部

昨日から今日にかけて秋の行楽へ出かける予定が台風に阻まれてしまった。これは日頃の行いが悪いせいに違いないととっくりと反省したのだったが、芝居見物の前の時間がゆったりとしていて、それはそれでよかったかも、とあとで思った。午後、教文館へ。金曜…

文庫本日記

矢野誠一『文人たちの寄席』文春文庫(ISBN:4167460114) 村上春樹『若い読者のための短編小説案内』(ISBN:4167502070) 昼休みの本屋にて。文庫コーナーを眺めていたら文春文庫の新刊が出ていて、やれ嬉しや。まっさきに矢野誠一さんを手にとったのだった…

夜ふけと金木犀

帰りは丸の内線に乗り込んで南阿佐ヶ谷までのんびりと移動。本日の車中の読書は近松半二『伊賀越道中双六』。長い商店街を歩いて JR の阿佐ヶ谷駅にたどりついて映画館へ。このコースをテクテク歩くのがなんだかいつもたのしい。今日の映画は加藤泰の『お岩…

京橋図書館と教文館

雨が降っていないということがこんなに嬉しいことだったなんて、と、心持ちよくウカウカと日没後のひんやりしたなかをテクテク歩いて京橋図書館へ向かった。予約していた本(矢野誠一さんの新刊)が入荷していたので急に行くことにしたのだった。本を返して…

一期一会

日没後、雨が降りしきるなか神保町へ。今日は時間全然なく本屋さんはなしでさる会合に直進、のはすが、前を通りかかったらまだ開いていたので巖松堂にちょろっと足を踏み入れた。ここのお店のそんなに多くはない文庫・新書スペースでこのところ必ず欲しい本…

歌舞伎座昼の部日記

雨がザアザア降っている日曜日、こういう日は劇場にこもって芝居見物というのがぴったり。今日は歌舞伎座の昼の部を見物。各演目ともいい具合にたのしむことができた。今日はひさびさに自分としてはもっとも理想的な態度で見物することができた気がする。毎…

今週の古本日記

秋のせいか一段と渋い今週の古本。どこへ向かっているのだろう…。 購入本 喜熨斗古登子述・宮内好太朗筆『吉原夜話』(青蛙房、昭和39年) 『浄瑠璃作品要説3 近松半二篇』(国立劇場芸能調査室、昭和59年) 先月に出た雑誌「東京人」の神保町特集の記事、…

文楽見物と神保町

ひさしぶりに NHK ラジオの皆川達夫さんの「音楽の泉」をきくことができた。ピノック指揮の《ブランデンブルク協奏曲》。2番と3番を寝床でぼんやりと聴いて、なんという気持ちのよさだろうとすっかりいい心持ち。5番になったところで朝食に。第1楽章の後…

趣味展、志ん生復活

軽い所用のため平日とほぼ同じ時間に外出。雨があがってやれ嬉しやと、突発的に自転車で出かけることにした。昼下がり、さっさと家に帰ればいいものをひさしぶりの自転車乗りが嬉しく、下り坂が続いていくままに自転車に身をまかせているといつのまにか神保…

映画メモ

『花籠の歌』五所平之助 *1 / 東京国立近代美術館フィルムセンター《映画女優 高峰秀子 (1) 》*2 (感想のようなものはあとで追記の予定、が、どんどんたまってゆく…) 東京下町出身の五所監督が取り組んだ人情劇。銀座裏のとんかつ屋を舞台に、看板娘の姉(…

映画メモ

『その前夜』萩原遼 *1 / 東京国立近代美術館フィルムセンター《映画女優 高峰秀子 (1) 》*2 映画が始まってスクリーンに「山中貞雄に捧ぐ」という文字が出ただけでジーンと感激。山中貞雄の名前が出ただけで胸がいっぱいで本特集ではなにがなんでも見たい…

ギンザ・フォト・ストリート

聴いている音楽 ジョス・ファン・インマゼール/ウィーン時代のモーツァルト(ASIN:B00005G804) 今日も出てきたディスクはモーツァルトで嬉しい。明日が祝日で嬉しい。と、朝からとても機嫌がよかった。嬉々とインマゼールのモーツァルトを聴いた。モーツァ…

モーツァルト,ルバイヤート、朝の波紋

聴いている音楽 ヨゼフ・スーク&スメタナ四重奏団/モーツァルト:弦楽五重奏曲第1番 K.174 、第5番 K.593(ASIN:B00005EPD9) ウツウツと連休明けの朝を迎えたところでこのディスクが出てきたときは救われた思い。いつどんなきっかけで買ったかは全然覚…

展覧会、文庫本、音楽

早起きして午前中は松濤美術館で瑛九の展覧会を見物。最終日ギリギリになってあわてて出かけるという事態になってしまったけれども無事に見られて本当によかった。午後はとある所用。その所用の帰り、ひさしぶりに「欲しい文庫本が200円で売っているお店」の…

恋女房染分手綱

先日、鏑木清方の『こしかたの記』を読み返していたら、九代目團十郎と鷺流狂言師との関わりについて書いてあって、そこで明治25年5月の歌舞伎座の『恋女房染分手綱』の上演のことに触れてあった。歌舞伎で『重の井子別れ』を見たばかりで、文楽の『恋女房…

京橋、人形町、神保町

少々寝坊してしまって大急ぎで外出、11時上演のギリギリにフィルムセンターに到着してほっと一息。前々から気になっていて、去年の市川崑特集では見逃してしまった映画を見ることができた。予想していた通りに映画としてはそんなに面白いとはいえないのだろ…

週末日記:能楽堂と古本屋

土曜日、国立能楽堂の普及公演に出かけた。狂言『鏡男』と能『野宮』。普及公演はたぶん初めて、公演の前に「能楽あんない」と称するお話を30分ほど伺うという段取りになっていて、ひさしぶりのお能なのでちょっとしたお勉強気分が嬉しかった。「榊の枝と水…

リパッティ、ブリヂストン美術館、小村雪岱

聴いている音楽 ディヌ・リパッティ/ショパン:ワルツ集、舟歌、マズルカ(ASIN:B00000GCA8) 一昨日にピリスを聴いてリパッティを思い出していたところだったところで、今朝棚から出てきたのはリパッティの同じくワルツ集。リパッティを聴くようになったの…