文庫本日記

昼休みの本屋にて。文庫コーナーを眺めていたら文春文庫の新刊が出ていて、やれ嬉しや。まっさきに矢野誠一さんを手にとったのだったが、村上春樹の『若い読者のための短編小説案内』が文庫になっているので、わーいとさらに大喜びだった。何年前だったか、須賀敦子さんの文章がきっかけで庄野潤三を読むようになったときに、『若い読者のための短編小説案内』を貸してくれた人があって、目当ての庄野のみならず本全体を当時とても面白く読んだ。文庫になったら買おうと思って幾年月だったので、ひさびさに再読できるのが嬉しい。『文人たちの寄席』は白水社の元版を持っていて、西荻音羽館で、こういう本があったなんて! ととても感激して即購入したのをよく覚えている。以来とびっきりの愛読書だった。部屋の本棚の目立つところに、矢野誠一さんの文春文庫がズラッと並んでいるところがあって、そこに新たな1冊が加わるときはいつも嬉しい。次回は『戸板康二の歳月』だといいなあ。

ブダペスト日記』(ISBN:4880083143)に感激していた頃、巻末の著書一覧でこの岩波少年文庫の存在を知って、読んでみようと思っていたのだった。先日図書館で借りた徳永康元著『ブダペストの古本屋』をホクホクと読んでいたところで岩波少年文庫のことを思い出して、夕刻、銀座に出たおりに、ひさしぶりに教文館ナルニア国に行った。ナルニア国はひさびさに来てみると6階で改装されていて、前よりも広くなっていて、隣りにはカフェがオープンしていたりもして、とてもいい感じの空間になっていた。ほんのたまに児童文学や絵本を手に取りたくなるときがあって、そのたびにナルニア国に行けるのが嬉しかった。なので、ナルニア国の繁栄が嬉しい。今後もずっとナルニア国があるといいなと思う。徳永康元さんを機にハンガリーに親しみが湧いてきて、となると、ちょっとバルトークを強化したい。弦楽四重奏を聴こうかしら。