2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

京阪神遊覧日記・その2 すばらしき関西私鉄

以下、二週間遅れの遊覧日記。その1(id:foujita:20080622)の続き。 土曜日の夕刻、堂島アバンザのジュンク堂に長居し、堂島界隈の定宿(といっても泊まるのは今回で二度目)に手荷物を置いたところで、おっとこうしてはいられないと、ソワソワと「阪急古…

里見とんと戦前グラフ誌「ホーム・ライフ」に心躍らす、雨の日曜日。

朝。窓の外は雨がザアザア降っている。ラジオのスイッチを入れると、今週の「音楽の泉」はピリスのモーツァルト。日頃からの愛聴ディスクをひょんとラジオで耳にするのもなかなかよいのだった。先週に引き続き、今週も雨降りの日曜日。出かけたい展覧会がい…

『写真心斎橋』に見とれる。感想小品叢書の宇野浩二。高祖保書簡集。

曇り空の下、小さな風呂敷包みの弁当箱と番茶入れし水筒を携えて、外出。国会図書館に向かって、テクテク歩いて、開館時間の9時半きっかしに到着。予定どおりに、ここにしかない本を2冊閲覧し終えたあとは、とある古雑誌のマイクロフィルムをガラガラと一…

鈴木信太郎表紙の「三田文学」で、三宅由岐子の戯曲を初めて読んだ。

今週も週明けにあたって、張り切って早起きして朝の静かな喫茶店でゆるりと、本棚に放置されたままの本を読んでゆくとしようと、先週の中戸川吉二読みの余韻を胸に、里見とん『おせっかい』(新潮社、大正12年7月)を持って外出……したものの、突発的に一緒…

京阪神遊覧日記・その1 モダン心斎橋の明治製菓売店

先週一週間は毎日、朝の喫茶店でコーヒー片手に本を繰りながらも、つい何度も「でっか字まっぶ 大阪24区 昭文社」というのを眺めてしまってソワソワ、肝心の本読みがあまり進まなかった。と、そんなこんなで、先週末はふらふらっと新幹線にのって、関西へ遊…

京阪神遊覧日記・その1 モダン心斎橋の明治製菓売店

先週一週間は毎日、朝の喫茶店でコーヒー片手に本を繰りながらも、つい何度も「でっか字まっぶ 大阪24区 昭文社」というのを眺めてしまってソワソワ、肝心の本読みがあまり進まなかった。と、そんなこんなで、先週末はふらふらっと新幹線にのって、関西へ遊…

丸ビルのコーヒーショップで中戸川吉二を読み終える、金曜日の夜。

今週は毎日、朝の喫茶店でコーヒー片手に、ひさびさに中戸川吉二に耽溺して、あっという間に一週間が終わった。 月曜日は、週明けにあたって気分一新、数か月前に買ったきり本棚に放置されている本を読んでゆくことにしようと、今にも壊れそうなひどい状態の…

『如何なる星の下に』とムーラン・ルージュ。『純情の都』と浅草。

先日、高見順の『如何なる星の下に』を読んだあと眺めていた桑原甲子雄の写真のうちの1枚。 桑原甲子雄《浅草公園水族館》(昭和10年)。 ――往年の名物も今や廃墟のようになっていた。廃墟といえば、浅草のレヴィウの発生地のような水族館も廃屋のままで、…

『高見順日記』を繰って、戦時下の浅草と桑原甲子雄の写真をおもう。

朝の喫茶店で、コーヒーをすすってほっと一息ついたところで、今日は、図書館で借りては少しずつ繰っている「高見順日記」の続きを読み進めることにする。高見順が死の直前まで病床で注釈作業に没頭していた日記。今繰っているのは、昭和18年5月から昭和19…

野口冨士男『海軍日記』。島津保次郎『私の兄さん』と『純情の都』。

朝の喫茶店。野口冨士男『海軍日記 最下級兵の記録』(文藝春秋・昭和57年8月=現代社・昭和33年11月刊行の新版)をもう一度ざっと読み返すことにする。海軍に応召された昭和19年9月14日から昭和20年8月24日の復員までこっそりつけていた当時の日記を詳細…