2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

大阪遊覧日記:南海本線と阪堺電車。溝口健二『浪華悲歌』をおもう。

東京駅8時半発の新幹線は、定刻通り11時過ぎに新大阪駅に到着。JR の改札を出るといつも、いつのまにか小走りになっている。地下鉄の一日乗車券(850円)を買ってイソイソと電車に乗り込んだそのすぐあとで、車窓に淀川が見える瞬間はいつもそれだけで大は…

野口冨士男と『ほろよひ人生』と高見順の、1930年代東京・蚕糸会館。

日没後、家に帰るまえに、今日はちょいと外でぼんやりしたい気分だった。連日さながら梅雨のごとし。イソイソと外に出て、傘を開いて、丸の内仲通りをテクテク歩いて、日比谷界隈に出て、東京宝塚劇場の前で今日は右折、帝国ホテルの正面を歩くと、やがて向…

古書展で高見順を買って以来、久保田万太郎を読み直す日々。

先月のとある土曜日、小川町の古書会館でなんとなく気が向いて、高見順『東橋新誌』(六興出版部、昭和19年11月10日)を手にとった。戦時下の浅草を舞台にした新聞小説。去年に『高見順日記』を通読して以来、気になりつつもずっと読む機会を逸していたので…