本が次々と届く

ちょいと寝坊してしまってあまり時間がなかったけど、喫茶店でコーヒーを飲む。さる筋からお借りしたあきつ書店の目録をうーむと眺める。買わないように気をつけないといけないと気を引き締めつつ眺めてゆくと、「おっ」の連続、忘れないようにいくつかメモ。と、大いに見る価値ありの目録でいろいろと心に刻むも、一番肝腎なことは「買ってはいけない」ということだ。

昼休み、昨日届いていた杉山英樹の遺稿集『作家と独断』(平野謙編)の支払い。1710円。先日眺めていた月の輪書林の目録であらためて「文化学院群像」ともいうべき一連の流れを見て、急に欲しくなってしまったのだった。杉山英樹は文化学院では野口冨士男と同級。野口冨士男のメモワール『作家の椅子』によると、佐多稲子さんが朝日新聞に「折々の人」というシリーズで杉山智恵子のことを書いているという。その文章もチェックしないとなあと思う。佐多稲子さんの随筆集の書誌を自分のなかできちんと整理したいと思いつつもそれっきりだ。佐多稲子さんは「英樹はちょっとね」と意味ありげに言ったという。郵便局のあとは本屋さんへ。「ちくま」を入手して安心したあと売場を練り歩くうちにあっという間に時間が過ぎる。

日没後、丸の内カフェに寄り小岩井のビンの牛乳110円を飲む。神吉拓郎の『洋食セーヌ軒』を読みはじめる。次から次へとグングンと読む。

銀座で所用をすませて10時過ぎに帰宅。ハドソン/網野菊訳『夢を追う子』(岩波少年文庫)と雑誌『日本の老舗』5号が届いていた。『日本の老舗』は関西から九州にかけての「日本老舗百店」の PR 誌で、この号は昭和39年10月の発行。戸板康二は「芝居と老舗」という一文を寄せ、徳川夢声は「赤坂の虎屋」という文章を書いているという素敵な誌面。宮口精二の雑誌「俳優館」とおなじ版型で上品なたたずまい。また手持ちの払込用紙が増えてしまった。