三輪正道『酒中記』を読み、島田青峰『芭蕉俳句評釈』が届く。

バタバタと大急ぎで家事を片づけてイソイソと外出、喫茶店でコーヒーを飲んでほっとひと息したあとでおもむろに、週末に届いていた三輪正道著『酒中記』(編集工房ノア、2005年12月)を取り出す。書店での発見を待ちきれず通信販売で買ってしまったのだけど、いざ届いてみると、まずは、本としてのたたずまいがなんとも素敵でうっとり、あんまり素敵なので手元に届いたときは「わーいわーい」としばし大はしゃぎだった。読了後は部屋の書棚に立てかけて悦に入るのは必至。そんなこんなで満を持して読み進めるとしようと、ソロリソロリとページを繰ってゆく。

夕刻、雨がポツポツと降ってきた。マロニエ通りを直進して京橋図書館へ。本を返してまた借りて、早々に地下鉄で帰宅すると、島田青峰著『芭蕉名句評釈』(非凡閣、昭和9年)が届いていた。島田青峰著だけど実質的には柴田宵曲が書いた本というのが3冊あって(加藤郁乎の『市井風流』による)、そのうちの1冊。安かったのでつい注文してしまったのだった。残りの2冊は『子規・紅葉・緑雨』(言海書房、昭和10年)と『俳句読本』(富士書房、昭和5年)で、『子規・紅葉・緑雨』は何ヶ月も前にとある目録で安かったので注文したもののあえなく外れてしまった。いつか読みたいものである。が、未読の手持ちの柴田宵曲を読むのが先なのだけど。

このところ、週明けの夜ならではの静かな夜の時間がなんだか好きだ。ミルクティを飲む。講談社学術文庫の『日本人の笑』を繰ったあと、岩波の旧大系の『歌舞伎十八番集』をひさしぶりに取り出して、あちこち拾い読みしたりする。郡司正勝先生は偉大なり、といつも思う。そんなこんなしたあと、週末の歌舞伎座にむけて、いい機会なので未読の近松、『関八州繋馬』を読むとするかなと、新大系の『近松浄瑠璃集』もついでに取り出す。が、今日のところは読みさしのディケンズを読むことにして、今夜も寝るのが遅くなった。