マタイを聴き、オーウェルと柴田宵曲を読み、渋谷で映画を見る。

明日から三連休で嬉しいなアと機嫌よく早起きし、お弁当をこしらえて、朝食を食べて、イソイソと外出。めったにないことではあるが朝っぱらからなにやら力がみなぎっているので、今日も青い空の下、テクテクと歩いて外出。今日も iPod でマタイを聴きながら、歩く。冬のツンとした空気と音楽との調和ぐあいがとてもいい。よい気分だなア! とハイになっていたせいかいつもよりも歩行速度が速く、今日はコーヒーを飲む時間がたっぷりでよろこぶ。突発的に持参した岩波文庫の『オーウェル評論集』を読む。ディケンズ論を読む。柴田宵曲『古句を観る』(岩波文庫)を読み返す。「新年」の項をいい気分で眺める。七草の日に飲みすぎて、翌日詠んだ「薺粥またたかせけり二日酔」という句がなんだかいまの気持ちにぴったりだ。ぽわーんと嬉しい。今年こそ西鶴を強化しようと急に新年の抱負のようなものを抱いているうちに時間になる。


外出の多い一日、通りがかりの本屋で「波」を入手し、通りがかりのドトールでひと休み。「波」をソコソコで切り上げて、『古句を観る』をじわりじわりと繰ってゆく。


夕刻、イソイソと外に出て、渋谷へ。ブックファーストで文庫本の下見をしたあと、ヴィロンでパンを買って外に出ると、東急百貨店の建物にかかっている「宝塚歌劇展開催中」の幟が目に入り一瞬本気で見物に出かけようと思ってしまいつつも、時間がないのであきらめてシネマヴェーラへゆく。なんとか間に合って、エリック・ロメールの『O公爵夫人』を3年ぶりくらいで再見。好きな映画をスクリーンで見直すのはそれだけで快楽。すばらしきアルメンドロス! そのスクリーンにひたすら見とれる。ゴダールの『男性・女性』も数年ぶりの再見。好きだった記憶のあった映画だったけど、今回はあまり乗れず。