中島賢二訳の岩波文庫は好きな本ばかり。次のコリンズは小池滋訳。

早起きして、喫茶店でコーヒーを飲んで、のんびり。昨日読み終わってしまった、ウィルキー・コリンズ/中島賢二訳『白衣の女』全3冊(岩波文庫)をピンポイント式に読み返す。読み終わっても気持ちがワクワク。なんと見事だったことだろう! と、ところどころをランランと読み返しているうちに時間になる。前から思っていたけれども、中島賢二訳の岩波文庫にはいつも本読みの歓びが横溢していて、しみじみ見事。読み逃しはないかしらと、中島賢二さん訳の岩波文庫をリスト化してみると、

というふうになり、ああ残念、今回の『白衣の女』をもってすべて既読となってしまった。次なる中島賢二さん訳の岩波文庫の刊行がひたすら待ち遠しいのだった。そして、さらに確認してみると、A.M.ウィリアムスン『灰色の女』論創社asin:4846007561)が今年2月に刊行されたばかりということを知った。ので、メモ。


『白衣の女』と一緒に買った、小池滋著『余はいかにして鉄道愛好者となりしか』ウェッジ文庫asin:4863100108)がまた、たいへんおもしろくて、ホクホクと読んだ。『白衣の女』の訳者あとがきに「この時代のディテイルが濃密に描き込まれているのも大きな魅力な源泉」とあり、『白衣の女』の時代(1849年7月末から1852年8月までの3年間)のディテイルのひとつとして、《開業二十五年後の鉄道網の整備とそれによる経済構造の変化》が挙がっていた。小池滋さんの鉄道本を、『白衣の女』と一緒に買うことになっためぐりあわせが嬉しい。


『白衣の女』を読んで好きにならずにはいられない人物、マリアン・ハルカム。マリアン・ハルカムに出会えたというだけでも嬉しいという気持ちになってくるくらい。訳者あとがきによると、《マリアン的女性は、二年後の自作『無名』のマグダレンとなって、さらに過激な形で登場する》とのことで、ワオ! コリンズの『無名』が読みたいッ、と確認してみると、そのものズバリ小池滋さんの訳で、「ウィルキー・コリンズ傑作選」(臨川書店、1999-2001年)の第3・4・5巻に、『ノー・ネーム』上中下が収録されていた。わーいわーいと、さっそく図書館に突進なのだった。『余はいかにして鉄道愛好者となりしか』を読んで、小池滋さんのファンにもなってしまったので、嬉しい。