谷中展の図録が届いた

foujita2004-08-01


朝っぱらから太陽が燦々と輝いていて絶好の家事日和。午前中は掃除、洗濯、本棚の整理にいそしんだ。と、なにやら張り切りすぎたせいか、サア洗濯ものを取り込もうというまさにそのとき、脳天に直射日光が突きささったその瞬間、急にクラクラッと軽いめまいにおそわれ、へなへなになる。やがて激しい頭痛。かねてより今日の午後は竹橋の東京国立近代美術館の常設展をゆっくりとじっくりと練り歩く予定で、わざわざ用事を入れないようにしていたのだった。この1週間というものとてもたのしみにしていたというのに、なんということなのだろう。外出する気力はすっかり失せてしまって、しょうがないので、しばし昼寝をした。ほどなくして目を覚ましてみると、頭痛はだいぶ和らいでいた。読みさしの都筑道夫の「なめくじ長家シリーズ」をぼーっと読んだ。それにしても美術館に行き損ねて無念なり。

と、日曜日の午後がむなしく過ぎ去ろうとしていたそのとき、ピンポーンと宅急便が届いた。宇都宮美術館(http://u-moa.jp/jp/index.html)のミュージアムショップからの届け物。梱包を乱暴に引き裂いて、念願の谷中安規展の図録を取り出した。わーい、わーい。年末から年明けにかけて松濤美術館で催されていた谷中安規展は、図録はおろか展覧会にも行き損ねてしまって、今年の悔恨のひとつだった。あとで、図録を入手し損ねていたことが悔やまれる事態に何度も遭遇することとなって、ますます悔恨だった。と、すっかり諦めていた谷中展の図録をまだ買うことができることを先日、id:bonborikingyo さんの日記で知って「え〜!」とさっそく問い合わせて、現金書留で申し込んだ次第。こんなに立派な図録がたった1700円(プラス送料)だなんて、こんなに嬉しいことはない。

谷中展の図録が届いて急に上機嫌になって、ちょいと外出することに。外に出てみると、太陽は眩しいけれども、日陰だとソヨソヨと静かな風が気持よい。空がずいぶん高いような気がする。テクテク歩いて、ひさしぶりにとある喫茶店へ。コーヒーを飲みながら、谷中展の図録をゆっくりゆっくりと眺めた。眺めれば眺めるほど、この図録が手に入っていなかったらとしたらいったいどれほどの欠落だったことだろうと思った。近代美術館に行き損ねたことで、コーヒー片手の「卓上美術館」となって、結果的にはずっとよかったかも。かさねがさね、id:bonborikingyo さんには感謝しないといけない。そんなこんなで喫茶店に長居して、図録の次は、『江戸歌舞伎集』の「御摂勧進帳」の最初の部分をじっくりと読んで、これまたさらに心を躍らせて、外に出たころにはすっかり日が暮れていた。「ラジオ名人寄席」を聴き損ねてしまった。


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