長谷川誠一の『観客席の八十年』が届く。

6時起床。朝からバタバタとたまっている家事をしつつも、家事もそこそこに早々に外出。喫茶店でコーヒーを飲みながらぼんやり。週末に入手した「一冊の本」と「未来」を眺める。「一冊の本」ではなんといっても芝山幹郎さんの連載がたのしみで、今月も入手に成功してよかった、よかった。金井美恵子の文章を斜め読みすると、山中貞雄原案の『その前夜』のことがちょろっと書いてあって嬉しかった。ちょうど1年前くらいにフィルムセンターで見たのだったけど、そこはかとなく好きだったなあとなつかしい。「未来」はもっともたのしみにしている PR 誌のひとつ。洗練された表紙からしてうっとりで、人文系の話題にはあまりついていけていないのに、手にするだけでなんとなく嬉しくて、PR 誌たいてい処分してしまうけど「未来」(と「図書」、「ちくま」はたまに)はとってある。今月は青江舜二郎の記事が嬉しかった。別のとある記事を読んで、自宅の今にも壊れそうな Mac をどうしようか、次はどうしたものか、昔から秀丸大好きだったからウィンドウズでもいいかも、ということを思いはじめてモンモンとなり、無駄に時間が過ぎてしまい、今朝は『ピクウィック・クラブ』を読み損ねてしまった。無念なり。

帰りはイソイソと銀座へ。三越1階で大散財をしたあとヨロヨロと昭和通りを横断。新生堂奥村に足を踏み入れる。新しめの講談社文芸文庫が数冊揃っていて、買い損ねていた多和田葉子瀧井孝作を買おうと思いつつも自粛。しかし、あとになって買っておけばよかったと後悔。今度行くときもあったら買うとしよう。京橋図書館では目当ての『鴈治郎芸談』を無事借りることができて、ほっと安心。歌舞伎座の『河庄』がとてもたのしみだ。と意気揚々と日本橋に向かって歩くも、今日も三越はもう閉店していた。タロー書房で「日本橋」入手。無事に入手できて嬉しい。今面白いのは「銀座百点」ではなくて実は「日本橋」なのだ。神田界隈を通り抜けて、テクテクと歩いて帰宅。

長谷川誠一著『観客席の八十年』届く。串田孫一戸板康二の序文がついている私家版の逸品。あきつ書店でずっと前から売っていていつもモンモンとなっていたのだけど、このたびあきつの十分の一の値段で入手に成功して、にやりとほくそ笑むのだった。しかし届いていたのはカバーがなかったのでカバー付きを見つけたらまた買ってしまいそうだな、どうしたものかと思いつつページを開くと、尾崎宏次宛の献呈署名がしてあって、「おおー!」と大いにどよめく。これはひさびさに戸板ファン大興奮の、まさしく逸品であった。長谷川誠一は暁星の国語教師で串田孫一戸板康二はその教え子。『わが交遊記』の秋田雨雀の項にちょろっと登場している人物。ここには秋田雨雀の親戚の尾崎宏次も同時に登場しているわけで、いつまでもワオ! と大喜び。まあ、だからなんだと言われそうだけど。