五反田の目録を眺めて、虚空を見つめる。

朝から小雨がぱらついている。早くに外出して喫茶店でコーヒーを飲む。昨日届いていた五反田の古書展の目録を何度も何度も眺める。何度眺めても、今回は注文する本が見当たらず、珍しいことだと思う。そういえば、今月はまだ1冊も本を買っていない、このまま1冊も買うことなく日々が過ぎていきそうな気がする、あ、しかし、まだ10日なのだった。…というようなことを思いながら、虚空を見つめて、放心。目録をふたたび眺めて、谷川清二(本名:渡辺文治)の随想集『大河の岸で』、の書名を手帳にメモ。文治堂書店は神西清全集の版元だ。神西清についてもっと突っ込んでみたいと思いつつも、そのまま日々が過ぎているのだった。