上野文庫

御主人が亡くなって上野文庫が閉店になっていたことを今日になって知った。上野文庫は何年も前から行きたいと思っていた古本屋さんのひとつで、初めて門前に行ったのが今年5月末日、鈴本の小三治独演会に向かう道すがら。台風のせいか閉まっていてがっかりだった。わたしはこういう、いざ行くと閉まっているというパターンが多い。本当に多い。その次月の6月、今度は正雀さんの独演会へ向かう道すがら、上野文庫へ前を通りかかった。今度は開いていた、中に入った、長居した。文庫本を1冊買った。佐多稲子『私の東京地図』(講談社文庫)を買った。講談社版の装幀は風間完なのだ。それにしても上野文庫の棚はたいへんなみものだった。まさか一期一会になってしまうなんて……。