家事日和

朝目が覚めると窓から見える青空がとてもきれい。さっそく気分清々だった。しばらく寝床でぬくぬくと音楽聴き。が、カルロス・クライバーベートーヴェン《田園》を聴いているうちに再び寝てしまって、結局はやや寝坊になってしまった。やっと起きて、洗濯と大掃除に邁進。まるで年末のように一心不乱に掃除をして爽快爽快、それに洗濯物がよく乾くこと乾くこと、と、家事のよろこびにうちひしがれているうちに午後になった。あれこれ整理整頓しているときは志ん朝ディスク、料理のしたごしらえのときは山城少掾の『すし屋』を聴いた。

先日、自転車に乗った折、帰るときに薄汚れた見るからに惨めな自転車が置いてあるのに遭遇して「よくあんなになるまで放っておくものだ」と思ってよく見てみたら自分の自転車だったというありがちな展開だったのを思い出して、懸案の自転車磨きも敢行。キュッキュと掃除をしていたら、近所のフランス人親子が自転車乗りの練習をしていて、あんまりかわいらしいのでずいぶん和んだ。たしかに絶好の自転車乗り練習日和なのだった。そんなこんなしたあと、買いだしついでに近所を散歩。とある遺跡を見に行ったら無事に発見できて感激だった。その途中の路地に、武田花さんの写真集に出てくるような泰然自若とした猫がいた。

夜は紅茶を飲みながら、『豊竹座浄瑠璃集』をめくった。並木宗輔読み始めだてんで、『ひばり山姫捨松』を読んだら、これまたずいぶん面白い。頭のなかで文楽の舞台を想像しながら読むのが快感。来月の文楽公演のチケットを買い逃してしまって無念なり。1999年5月に『妹背山』を見たのが初めての文楽通し見物だった。それからずっと12月以外は欠かしたことのなかった文楽見物だったけれども、まあしょうがない。しばらくは書斎にこもって浄瑠璃を読むとしよう。