丸の内線に座ってのんびり荻窪へ

5時半起床。昨夜の深酒にかかわらずいたってさわやかな寝覚めで気分爽快。窓の外はひさしぶりの青空でますます気分上々。朝はのんびりとギリギリの時間まで家事。朝の喫茶店でコーヒーを飲むのが好きだけど、部屋でのんびり家事をする朝というのもたまにはいいなアと思う。リパッティショパンのワルツ集を流した。

昼休みの本屋さんでよせばいいのに角川春樹事務所の「ランティエ」という雑誌を立ち読みすると、福田和也の連載で光村利藻が取り上げられている。もしやと走り読みすると「戸板康二」の4文字が登場していた、のでメモ。『ぜいたく列伝』は結構語られる本なのかも。じっくりと何度も読み返してみると実は大変な名著だということがだんだんわかってくる本なのだった。文春文庫での新装復刊求む。

機嫌がよいので今日は遠くまで寄り道。丸の内線に座ってのんびり荻窪へ。『近松浄瑠璃集』を読む時間にもなって一石二鳥。「女殺油地獄」を最後までゾクゾクと一気読み。端午の節句など世話浄瑠璃は風俗描写にいつもウキウキ。風土もよくて大阪に行きたくなってくる。それにしても近松は、現代小説なんで読む必要がないくらいに、おそろしいくらいにとても現代的、修辞の美しさやテンポのよさにも惚れ惚れ、ああ、近松はすばらしい、とひとりで酔いしれる、明日は重陽節句

ささま書店の105円コーナーで石川達三の未所持文庫本チェック。意外にもここにあるのは持っている本ばかり。『風にそよぐ葦』上下巻を持って店内に入る。前回来たときに棚にあった八木義徳の随筆集が一番の目当てだったけどもう棚になかった。そのかわり、『クロッカスの花』と同じ冬樹社刊の庄野潤三の随筆集、『庭の山の木』を発見、840円。嬉々と手に取る。オーデンの詩集と「週刊読書人」のアンソロジーと合わせて、本日のささまショッピングは〆て1785円也。

早々に帰宅するつもりが、ここまで来ると西荻窪にも行きたい気もするしで、しばし懊悩。天の声を聞こうと、上りの電車が先に来たら帰宅、下りの電車だったら西荻へ行こうと駅のホームにあがると、タイミングよく三鷹行きの電車が到着。ひさしぶりの音羽館。店頭の100円コーナーで前々から欲しかった、中村伸郎『永くもがなの酒びたり』を発見、ガバッと手にとって、わーいわーいと店内へ。あれこれ迷ったあげく、あとは1冊だけ、戸板康二折口信夫坐談』ビニールカバー帯付き美本500円、というセコい買い物になってしまった。けど、いろいろと心に刻んだことがあって、今日の音羽館も大充実。よく行く喫茶店で閉店までコーヒーを飲みながら庄野潤三を繰って帰宅。その前に郵便局に寄って、届いていた本を引き取った。戸板康二作の戯曲『モナリザの微笑』公演プログラムと『雅楽探偵譚2 奈落殺人事件』が届いた。