伊藤正雄の『忘れ得ぬ国文学者たち』にあらためて興奮する。


朝の喫茶店で、出がけにグラシン紙でカヴァーしてご満悦の、伊藤正雄著『新版 忘れ獲ぬ国文学者たち』(ISBN:4842100079)を繰る。先日図書館で借りたのは旧版(1973年発行)だったけど、旧版を復刻した新版(2001年)は坪内祐三の解説付きなのだった。この本は東京堂ふくろう店の坪内コーナーで「おっ」と手に取って、以来ちょくちょく立ち読みしていた本。立ち読みしていたときは特に気に留めていなかったけど、いざ新版を手にしてみると、伊藤正雄は足立巻一の『やちまた』の「拝藤教授」のモデル! と急に大興奮。なんて興奮しつつも、足立巻一はまったくの未読だけど、こうしてはいられない、伊藤正雄から続く人物誌ということでぜひとも読まねばと思う。と、朝っぱらメラメラと燃える。

夕刻、早々に外に出て、マロニエ通りを歩いて、京橋図書館へ向かう。新生堂奥村に足を踏み入れる。一周忌を記念して刊行されたという『芥川比呂志書簡集』(作品社、1982年)があった。この本の存在は初めて知った。「おっ」と手にとる。戸板康二宛の書簡は収録されていなかったけど、1000円だし、買ってしまおうかと3分くらい悩んで、おっとこうしてはいられないと、今日のところは見送る。

図書館で、坪内祐三の『古くさいぞ私は』(ずいぶん前に古本屋に売ってしまった…)の「伊藤正雄『忘れ得ぬ国文学者たち』」という一文をコピーする。足立巻一の遺稿集『日が暮れてから道は始まる』(編集工房ノア、1987年)を借りる。

届いていた五反田古書展の目録を早く見たいとウズウズしながら、夕食を支度をする。

国書刊行会の「知の自由人叢書」の刊行予告(http://www.kokusho.co.jp/kinkan/index.html)にある沼波瓊音『意匠ひろひ』が今から気になって仕方がない。