高橋輝次著『関西古本探検』を繰り、「サンパン」最新号が届く。

本日の予想最高気温は28度と知り、起き抜け早々、意気がさがる。意気があがらないまま、早々に外出。喫茶店カプチーノを飲む。週末に入手の高橋輝次著『関西古本探検』(右文書院、2006年5月)をさっそく繰る。そうだ、月曜日の朝に早起きして読むとしようとこの瞬間をたのしみにしていたのだったと、急に機嫌がよくなり、ズンズンと繰ってゆく。

関西古本探検―知られざる著者・出版社との出会い

高橋輝次著『関西古本探検』は、創元社のサイト(http://www.sogensha.co.jp/index.html)に連載中の「古書往来(http://www.sogensha.co.jp/page03/a_rensai/rensai.html)」を中心に編んだ文章集。実はかねてより、「古書往来」の文章は、なんらかの本読みの際にふと思い立って、ためしに検索すると、数少ない検索結果のなかの上位にヒット、ということが何度もあって、あまりに何度もあるものだから、いやがうえに深く印象に残っていた。そんな文章の数々がこうして一冊の本にまとまるなんて、なんと嬉しいことだろう。と、まずは、じっくりと落ち着いて読むことができるので、こうして一冊の本として手にとることができるのがよろこばしいかぎり。林哲夫さんの書物を描いた絵画をあしらったカヴァーがたいそううつくしく、しばらく本棚に立てかけて悦に入るのは必至。索引も完備されているので、いままでウェブ検索をしていたのと同じように、なんらかの本読みの際にふと思い立って参照して、これから先も何度も繰ることになるだろう。……とかなんとか、『関西古本探検』は読み始める前から、本を手に取っただけで大はしゃぎしていたのだけれども、いざ繰り始めると、さっそくあちこちに付箋紙を貼りまくっているのであった。書影がふんだんに紹介されているのも目に愉しい。「sumus」の新しい号をアクセスで買って、神保町の喫茶店に駆け込んでさっそく繰っていたかつての日々の、あの感覚を懐かしく思い出したりも。

日没後、すっかりくたびれてしまった。丸の内カフェで小岩井のビンの牛乳110円を飲んで、ひと休み。朝に引き続いて、『関西古本探検』をズンズンと繰る。へなへなと帰宅すると、「サンパン」(http://www.edi-net.com/)の最新号が届いていて、わーいとはしゃぐ。

あとはもう寝るだけというとき、ミルクティを飲んだあと、読みさしだった、野口冨士男著『相生橋煙雨』(文藝春秋、昭和57年)のおしまいの1篇を読む。井上立士の名前が登場しているのを見て、「おっ」となる。言っているそばから、ふと思い立って、帰宅前に通読し終えたばかりの『関西古本探検』を繰ることとなってしまった。すっかり、宵っ張り。